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2003年5月6日: 地域支援農業(CSA)の経営にはいくつかのモデルがあります。最も一般的なモデルとしては、経営を続けたいが、確実なマーケットをさらに必要とする農家が、まず挙げられます。最も稀なのは、CSAを所有することを希望するコミュニティで、そのコミュニティの規格に基づいて生産を行う農家を探すといったものです。私たちの「持続可能な食糧システムのための、ペニーパック農場教育センター」は後者のタイプであり、ペンシルベニア州で最も新しいオーガニック農場です。そして、どのようにして、近郊の住民、土地、農家、合法的な財政のしくみがまとまったのかといういきさつは、教訓的な話となりますが、それはハッピーエンドでしめくくられたのです。
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持続可能性の賛同者のために
共通のビジョンは、ただ食物を生産するだけではなく、コミュニティを確立し、教育を普及させること。 |
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まず最初に、人々が集まりました。1999年にさかのぼりますが、「ノースウェスト・アース・インスティテュート」による二つのディスカッション形式のグループ講座が行われました。その内容は「自発的簡素化」と、「持続可能な暮らしのための選択」というものでした。私たちはそれらの講座に出会い、感化を受けました。そして、この近くにオーガニック農場があれば素晴らしい、と意気投合し、4人でやってみようと決意しました。さらに協力者を呼び入れるために、地方新聞の編集者宛に、CSA農場を始めるという事と、私たちへの連絡の取り方について、手紙を書きました。約十数人から連絡があり、その2倍の人たちが、利益、資源、課題などを検討する第一回ミーティングに出席しました。私たちは毎月ミーティングを取っていくことを決め、こうして「アンブラーCSA」が誕生しました。
私たちの目標と意義
持続可能な農業の支援、河川流域の保護、地域における食糧確保の確立
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訳者注 フードシェッド
食糧(food)と格納庫(shed)を合わせた造語。食糧庫といったような意味。フードシェッドとは「生産者が経済的及び共同体的絆によって結ばれた少数の加工業者及び消費者に、より新鮮で栄養価の高い食糧を供給するための、持続可能な方法を使用する多様な農場によって形成される地域あるいは地方単位の自立型の食糧システム」である。 |
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私たちは、同じ考えをもつ持続可能性の賛同者から成り立つ地元コミュニティを強化し、また、地元でオーガニック作物の増産をはかって、それらの作物が人々の食卓に上がることを望みました。スポンサーである団体、「持続可能な未来のための同盟(補足記事参照)」は、ペンシルベニア州の東モントゴメリー郡で、こういった新しい農場がフードシェッドとの提携を築くセンターとして機能することを望んでいました。農場の経営がほぼ日常的に機能するようになった数年後には、CSAが教育センターになることを、私たちは想定しました。(立ち上げの期間に、教育面の仕事まで農場の管理者に負わせたくはありませんでした。)
最初の行動計画というと、調査をして、それから半径8キロ以内にある全ての生産者とコンタクトをとる事でした。私たちは単純に、生産者の中の一人くらいは、所有地のほんの160−200アールでもオーガニック農法に切り替えるだろうと信じていました。”約束された買い手市場がすでに出来上がっていると知っていて、彼らが損するなどどうしてあり得るだろうか?”と、思いながら生産者とコンタクトをとり続けました。けれども、「何故今までうまくやってきた慣行農法を切り替える必要があるのか?」という否定的な反応が返ってくるばかりでした。私たちが与えた正当な答えはすべて、凝り固まった考え方によって反論されてしまったのです。私たちは落ち込みましたが、くじけはしませんでした。
幸運なことに、ボブ・ピアソン氏が運営する「ファーム-トゥ-シティ」のCSAプロジェクトへの申込み(補足記事参照)により、CSA会員用のオーガニック食品に関する一時的な情報や、旬の野菜を収穫して調理するというような、充実したCSAならではの習慣が身につく方法を手に入れることができました。「ファーム-トゥ-シティ」の資料を通して、私たちは目標に対して明確であり続けるための必要な具体的成果を得ることができ、また自分達の団体の可能性について調べたり、見直したりしている間でも、意欲を失うことはありませんでした。
次なる段階へ
運良く生産者を見つけ出すというようなこともなく一年が過ぎましたが、自分たちの意義についてはより明確になっていました。私たちは近くにあるCSA農場から、メイジーズ農場のサム・カントレル氏、レッド・ヒル農場からはエイミー・ジョンソン女史、テンプル大学アンバー校からマイケル・トーマス助教授を私たちの会議にスピーカとして迎えました。そして、会議では、運営費に関する情報を収集しました。
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自分たちの土地を求めて
会員がいても、農家を見つけることはできませんでした。そこで土地を探すことにしました。(この小柄な女性は自分で木を植えて、それを分け与えるようです…そう、私たちは土地を見つけたのです!) |
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そんな時、次なる段階がやってきました。私たちは他のCSAで働いている研修生と、生産者探しについて話をして、もし私たちが土地を見つけることができるのなら、たくさんの人たちが私たちの話を聞きたがるだろうと思いました。公表されている不動産のリストを作成し、それぞれ交渉を分担し合い、全ての手がかりを追跡し、お互い励まし合い、それらが空振りの時は必ず紹介者を尋ねました。 近隣の3つの町が所有する空地は、CSAにもってこいのコミュニティの共有地だと思えました。ところが、法的な保険契約の要求と長期間にわたる認証審査が、私たちを打ちのめしました。近くの大学のキャンパス、私立学校、教会の所有地など、手がかりとしていたところは、どこも私たちの提案を拒みました。しかし、2001年に行われた「モントゴメリー郡の農業を守る」会議で、私たちは新たな支持者を得ました。ナチュラル・ランド・トラスト(補足記事を参照)が私たちに二つの所有地を薦めてくれたのです。
最も有力そうだったのは、ある一人の生産者でした。彼は、ある研修生が学校の課題で、バイオダイナミック農法に基づいて、とても肥えた堆肥を作るために彼の農場を利用して以来、ずっとCSAを始めてみたかったと言っていました。彼はその黒々とした堆肥の中で、トマトがいかにりっぱに育つのかということを目の当たりにしました。何度かミーティングを重ねるうちに、状況は良い兆しを見せてきたようでしたが、彼は私たちのいくつかの質問に対し、あやふやに答えるのでした。とうとう、私たちは単刀直入に、「仮に害虫が作物を荒らしたらどうしますか?」と迫ると、彼は、「もちろん、緊急措置として殺虫剤を散布するでしょう。」と答えました。私たちはそれ以上の話し合いを断念しました。
ナチュラル・ランド・トラストによる2つ目の薦めが決め手になりました。とはいえ、都市に住む子供向けにキャンプを行う、この用心深い非営利のキャンプ団体とパートナーシップを築くのには2年を要しました。この関係を通して、私たちが心に描いてきたCSAと教育活動との間に調和がさらにとれるようになりました。
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真のコミュニティ・プロジェクト
すべての世代のボランティアがペニーパック農場の準備のために手を差し伸べています。 |
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9.6ヘクタールの土地の賃貸契約が双方とも合意に達するまで一年以上の長い道のりがありました。私たちは、名前を「アンバーCSA」から、キャンプ場という土地柄にもっと調和する名称に変更しなければなりませんでした。そこで私たちはペニーパック川流域へと注ぐ上流に土地が決まったことを称えて、「ペニーパック農場」としました。それから保険の細目、賃貸期間(私たちは3年毎の賃貸更新が希望でした)、建物建設の条件(リース終了時の撤去費用のためのエスクロー勘定)、シカ防止柵の美観(キャンプ場は105ヘクタールの敷地内で24頭のシカを飼育している)、キャンプの教育プログラムとの提携、また私たちがいかなる財政的援助も期待しないという保証などに、対処しました。
これらの段階を進めている間に2回ほど、私たちは次の栽培シーズンに生産を開始できることを願って将来性のある生産者を面接、採用しました。しかし、土地の賃貸契約が間に合わなかったので、私たちは2回ともをあきらめざるを得ませんでした。昨年の暮れに、友人を通して私たちはサンタ・クルーズのプログラムにいるリサ・モスカという生産者のことを知りました。彼女は以前クエーカー大学近くのスワースモアで学生をしていて、フィラデルフィア近郊の農場を経営したいと考えていました。彼女の豊富な経験、推薦状、根気強い楽観主義的な性格からは、彼女がまさに私たちが求めていた人材であることがうかがえました。彼女は、スタート時点から、CSAが彼女と労働者のために生活費と利益を支払うという明確な姿勢をしっかりと打ち出しました。そして私たちはこれらの金額などを契約に加えました。
教育こそ私たちの要
こうして私たちは9.6ヘクタールの土地と生産者を擁するコミュニティとなったものの、悲しいかな、設備がありませんでした。シカ防止柵やアタッチメント付きのトラクター、二つの井戸、倉庫、温室、簡易パイプハウス、小道具、電気、砂利の車道などが必要でした。やれやれ!
寄付でこれら資本経費を集められるでしょうか? 補助金を得る方法は? 私たちはこれらの問題に対して非営利の教育機関となることで道を切り開いていきました。
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| 持続可能な食糧システムのためのペニーパック農場教育センター |
連絡先
Lisa Mosca
Farm Manager
587 Mann Road
Horsham, PA 19044
215-646-3943
プログラム
「農場にて」
この子どものためのプログラムは、フィラデルフィア地域に住む経済的に困難な状況にある子供たちを、幼少時にオーガニック農法や自然に触れ合えるようにするためのカレッジ・セトルメント・キャンプとの、共同協力プログラムです。ペニーパック農場は、主に農場でのカリキュラム活動や子どものための公開ガーデン、子ども対象の農場ツアーや栽培期間中には試食会などを行っています。学生たちは「自分たちの食べ物はどこからやってくるのか」ということ、また、自分たちのライフスタイルの選択が、どのように環境や身体に影響するかということを学びます。
コミュニティの講義シリーズ
地域または世界規模の問題について説明する講義シリーズ。地域の持続的な食糧システムと関わりをもつ、健康や経済、環境や社会的問題に対して、一般の人々の理解を高めるために行われています。そして、オーガニック農法を実施している専門家がディスカッションの進行役を務めます。そして、講義は一般の人たちに公開されています。
季節のコミュニティ勉強会
地域の食糧自給や持続可能性、栄養摂取を向上させる実地訓練シリーズ。勉強会のトピックスには季節ごとの料理方法、果樹の植え付け、種の保存や缶詰め製造などが盛り込まれています。
野生動物の生息地のデモンストレーション
生物学、生態保護に基づく園芸、多年生植物の植え付けなどを身につけているスタッフが、土地特有の益虫や野生動物生息地に境界線と、生け垣の低木を導入するために、地域のボランティアメンバーの指導にあたっています。 植林や木工事プロジェクトは、また、一般への教育も兼ねています。
私たちの食べ物はどこから来るのか
地域の食糧政策委員会に対する関心について評価するために作られた、州公認の教員による、教員訓練プログラム。「ファーム-トゥ-スクール・イニシチアブ」は持続可能な農業、栄養教育、学校のカフェテリアでの健康な食品と、密接に連携しながら活動しています。
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幸運なことに、私たちの地主は、都市からやって来るキャンプ参加者のための教育を望んでいました。そして驚いたことに、リサは作物を育てながら教育活動をしていくことにとりわけ興味を抱いており、しかもその役にぴったりでした。私たちは非課税対象の非営利法人を設立するための必要事項を知った時に、計画を急ぐこと、そして当初から教育部門の権利を盛り込むことを決めました。こうして、「持続可能な食糧システムのためのペニーパック農場教育センター」という嬉しい結果が生まれました。
教育的な任務を遂行しているにもかかわらず、私たちが直面した法的な問題はもっと複雑でした。IRS(内国税歳入局)は、典型的なCSAの構造である会員制団体に対し、非営利的な立場を認めようとしません。IRSは、会員制団体を公共としてではなく、会員に個人的な利益をもたらすものだと見なします。したがって、課税控除の寄付対象としては不適格となるのです。またIRSは、営利農場以外の一つの農業プログラムに対して、不公平な便宜をはかる可能性のあるベンチャー事業に、非営利の称号を与えることを快しとしません。もし資金を流動させる財政スポンサーが会員制団体に寄付をしたら、自身の非営利法人の立場を失い、いかなる財団法人といえども罰金を支払わなければならないことを私たちは知りました。
試みは素晴らしかったのですが、とても乗り越えられそうにありませんでした。メイジー農場(補足記事参照)はペンシルベニア州で運営している非営利のCSAとして知られる、たった二つの団体のうちの一つですが、彼らは好意をもって私たちを助けてくれました。農場のオーナー、サムカントレル氏は、寛大にも私たちに彼の内部歳入規約第501条c項3号の申請書類を見せて読んで下さったので、私たちは受け入れられやすい用語の使い方や理論的根拠を理解することができました。私たちは委員会を指揮するコミュニティを理事会に置き換え、自分たちの目的において、教育と慈善としての寄付であることを強調しました。さらに、2人の法律の専門家と付随定款、基本定款、申請書類について相談しました。稀なことに、ひと月もたたないうちに私たちの非営利団体への申請書類が受理されたのです!
私たちの今とこれから
4月、私たちは普及会議を開き、温室建設の枠組みを決めました。ペニーパック農場は全くのコミュニティ・プロジェクトです。簡易パイプハウスを建てるには地面があまりに凍りついていたので、私たちは今年移植された植物を購入する必要があるでしょう。4月の始めまでに、初年度の割り当て100のうち80は売れていましたので、来年に向けての順番待ちリストの作成を始めました。3万ドル以上の寄付――そのほとんどは個人の提供者からです――はありますが、まだあと6万ドルは必要です。また私たちは25の低収入割り当て分に対する資金援助も行っています。ホワイト・ドッグ・カフェ(補足記事を参照)主宰のジュディ・ウイック女史は、社会的信用のある投資に対して5年間の低金利融資を行う可能性のある貸し付け人と、私たちをつないでくれています。
私たちの挑戦は終わったわけではありませんが、うまくやれると信じています。
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